【木村和久連載】処世術を磨くのに最適?「言い訳の天才」を育むゴルフ (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 このようなゴルフの特殊事情を、殿方は好意的に解釈し、うまいこと活用しようとします。片や、世の奥様たちは、ゴルフのあとにパーティーや打ち上げと称する飲み会があることは承知していても、そうした特殊事情についてはおおよそ知りません。それゆえ、男のアクテイブな外出は、ゴルフが起点になることが多いのです。

 というわけで、ゴルフは"言い訳の天才"には、欠かせないアイテムとなっています。また、ゴルフにおいては"言い訳"が付き物です。以降、その辺りにスポットを当ててみましょう。

(1)ラウンド前は言い訳のオンパレード
 昔、高校時代の中間テストの時など、友だちに「おまえ、勉強してきたか?」と聞かれて、「昨日は(笑福亭)鶴光のオールナイトニッポンを聞いていたら、朝になってしもうた」なんて、言い訳をしていました。

 そういう言い訳癖は、ゴルフでいかんなく発揮されます。

 とりわけすごいのは、ラウンド前、ライバルから「調子はどう? ニギるか?」というリクエストが来た瞬間ですね。どうにか逃れようと、出るわ、出るわの、言い訳三昧。ざっと列挙しますと、以下のような感じでしょうか。

・「昨日、ゴルフだと思うと興奮して眠れなかった。今、すごく眠いからパス」
 これは、案外本当のことだと思います。たまのゴルフで「明日は早く起きなければ......」と思えば思うほど、なかなか寝つけないもの。そこで、こんな言い訳を追加します。

・「昨日、飲みすぎて、二日酔いなんだ」
 明日の早起きのため、お酒を軽く飲んで寝ようとしたけど、なぜか興奮して、逆に眠れない。それで、ゴルフ専門チャンネルで放送していたPGAツアーのダイジェストなどを見ながらチビチビやっていたら、結局ソファーで寝てしまった......よくあることです。

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