【木村和久連載】タイガーも危惧。「由緒正しい名門コースを守れ!」 (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 オリンピックのために、「PGAツアーに負けないコースを造る」とがんばられても、ここは日本ですからね。しかも、コースの改修を外国人に頼んだこともねぇ......。

 せっかく日本で開催するのだから、日本人設計家のすばらしさを見せてあげたかったと思うのですが。国立競技場だって、いろいろあったけど、最終的には日本人が設計しましたからね。

 日本開催のオリンピックだから、日本風の佇まいのコースでやるべきだと思うんですけど。日本人設計家、誰かいなかったのでしょうか?

(3)歴史的遺産として
 以前にも触れましたが、スコットランドのセントアンドリュースGCが旧市街と一緒に、世界遺産への登録をしているそうです。結果は、数年後に発表されると思いますが、もし決まれば、世界初の世界遺産のゴルフ場となります。

 そう考えたら、50年後には日本にだって、世界遺産となるゴルフ場が出てくるかもしれません。その時、一番の候補となるのは、廣野ゴルフ倶楽部(兵庫県)でしょうね。

 ここは、名匠ハリー・コルトの弟子、C.H.アリソンが設計。C.H.アリソンがコルトのために、「世界の有名コースのエッセンスを取り入れた」傑作と言われています。

 そういう文化的遺産を継承していくのは、やはりアマチュアの倶楽部のみなさんだと思うのです。元の設計を生かして改造するのは構わないけど、関係ない人を呼んで、別なイメージのコースにはしないでほしいですよね。

 そのほか、赤星四郎、井上誠一、上田治などが設計したコースも、日本的なエッセンスが入っていて、後世まで残してほしいものです。

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