【木村和久連載】タイガーも危惧。「由緒正しい名門コースを守れ!」 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 今では、日本人男子プロが何を使おうが、さほどマーケットには影響しません。これが、悲しい現実です。日本人男子プロは、もっとイメージアップにがんばってほしいところです。

(2)往年の名コースを「改造する」ということ
 東京五輪の延期で、ゴルフ会場となる霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県)も困っていることでしょう。実は約半年間クローズして、オリンピックに備えていたのですから。

 1年間の延期となると、また「半年、クローズかよ」って、マジで笑えない状況になる可能性があります。個人的には、大会会場になることをいっそ返上して、若洲ゴルフリンクス(東京都)か、軽井沢72ゴルフ(長野県)あたりに譲ったらいいのに、と思っています。

 オリンピックコースの会場は、霞ヶ関CCの東コースです。このコースは、日本のコース設計家の草分けとなる藤田欽哉や赤星四郎ら、数人が手分けして設計し、完成して間もない頃、世界的な名設計家であるチャールズ・ヒュー・アリソンが立ち寄って、改造を加えた由緒あるコースです。しかも、日本のコースレートの基準コースになっていたのです。

 そのコースが2016年、トム・ファジオとその息子ローガン・ファジオの設計によって、大改造が施されました。オリンピックだからって、そんなことしちゃって、本当にいいんだろうか? はたして、日本の名匠が設計し、C.H.アリソンの改造した歴史的なコースはどこにいったのかしら?

 改造後のコースは、実際には見ていません。ホームページには、「C.H.アリソン氏が改造したクラシカルな印象を残した」との説明はあるものの、昔の面影がどれぐらい残っているのか......。またそこには、「新たな時代に適合する」という文言があり、そこも気になります。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る