【木村和久連載】メンバーは同じコースばかりのラウンドで飽きないの? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そうして、いくらコースの特徴を熟知しても、スコアは伸びていきません。ラウンドをすればするほど、ゴルフの奥深さに気づき、飽きるのを通り越えて、もはや"求道者"のようです。そうやって、"ホームコース巡礼"を繰り返すんですね。

 たぶん、熱心なメンバーの一生なんて、あっという間だと思いますよ。「あれ? もう80歳なの?」「いやぁ~、一度はシングルになりたかったなぁ」ってね。

 まあ、それはそれで、幸せなゴルフ人生だと思います。

(3)入会1年目ぐらいの人
 メンバーになって、1~2年目あたりが一番楽しい時期です。まずは、入会祝いとして、ホームコースに友だちを呼びます。それは、「素敵なコースですね」と言われたいため、です。

 そして、そんな社交辞令的なおべんちゃらを言われると、そのお返しとばかりに、頼まれてもいないのに、コースの説明をするんですな。「ここは池が回り込んでいて、池ポチャが多いよ」ってね。

 で、そうやって説明したばかりなのに、自らが"お手本"を見せて、豪快な池ポチャ。こういうダチョウ倶楽部のコントみたいなことが、よくあります。

 挙句の果てに、自分がコースの説明をしておきながら、初めて来たビジターの友だちにスコアで抜かれてしまう始末。それで最後は、「あいつは、遠慮ってものを知らないのかよ」って愚痴るんでしょうな。

 よく言われる「地主の利」は、せいぜい2~3打。だから、ビジターでもシングルクラスの人が来れば、自分よりスコアがいいのは当たり前です。

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