【木村和久連載】優秀なコーチが力を発揮する環境を日本で築くには? (6ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 それから、評判を聞きつけたジャンボ尾崎選手が後藤先生をコーチとして雇います。これはね、ふたりとも"お山の大将"ですから、後藤先生も相当「手を焼いた」という話です。

 最後は結局、ケンカ別れみたいな感じになったようですが、あのジャンボ尾崎選手のコーチをしたってことが、何よりすごいです。

 当時の写真を見せてもらいましたが、後藤先生の姿は、どう見てもカタギじゃありませんでしたね。ジャンボ尾崎選手を指導するということは、こういうことなんだな、と。"龍虎激突"みたいな雰囲気が感じられました。

 以前ゴルフ専門誌で、後藤先生のことを「平成の丹下段平」と書いて紹介したら、先生は笑っていました。当時のコーチ業は、漫画『あしたのジョー』に描かれているような、義理人情、浪花節の世界なんですな。

 ともあれ、今は、ちゃんと学問として、スポーツを捉える。これがまず、大事なんじゃないでしょうか。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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