【木村和久連載】優秀なコーチが力を発揮する環境を日本で築くには? (5ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 たとえば、松坂大輔投手は今季、古巣の西武ライオンズに戻って、いい感じに仕上がっているようです。西武は、松坂投手の調整方法を熟知しているんだとか。はたして、その成果は? 今季への期待が膨らみますね。

 そんなふうに、プロ野球であれば、チームカラーが合わなければ、チームを移ればいいし、チームを移ることで、状態がよくなることがあります。

 でも、ゴルフはねぇ......。頻繁にコーチを変えるほど、優秀なコーチがそんなにいるわけではありません。そもそも教わるのが嫌だと、誰とも組めないし......。

 結局のところ、日本ゴルフアカデミーを創設して、そこに優秀なコーチを何人か在籍させて、ナショナルチームのメンバーに限らず、何かのタイミングで誰でも学べるようにすれば、いいんじゃないでしょうか。

 テニスの大坂なおみ選手を見てもわかるように、コーチの存在というのは、やっぱりデカいです。コーチが必要な文化というのを、日本の男子ゴルフ界にも浸透させないと......。

(5)後藤修先生vsジャンボ尾崎
 先にも触れたとおり、私は後藤修先生のアマチュアの弟子として、かつて何度かお話をうかがっているので、最後に後藤先生にまつわるエピソードをいくつか紹介させていただきます。

 後藤先生はまず、中嶋常幸選手を教えていました。これはもう、付きっ切りの時代があり、一緒に本まで出しています。海外のメジャー競技にも同行しています。

 そういう密月があり、それから別れもあります。お互いに超一流ですからね。中嶋選手が、頭越しにガンガンくる後藤先生を敬遠し始めたそうです。

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