【木村和久連載】優秀なコーチが力を発揮する環境を日本で築くには? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(2)女子やジュニアは事情が違う
 ただ、女子の場合は、少し事情が違うかもしれません。コーチが男性だと「あんた、何勝したの?」とは聞かないでしょうから。

 昔、横峯さくら選手のお父さん、横峯良郎さんが娘さんたちと一緒に、バスで移動してツアー生活を送っている時、こんな"迷言"を放っていたのを聞いたことがあります。

「ゴルフは、女、子どもになら、オレでも教えられる」

 たしか、そんなニュアンスだったと思います。独学でゴルフ理論を学んで、それを娘さんたちに伝授してきた良郎さん。そこそこの技術があれば、聞きかじりでも、ジュニアには教えられると言いたかったのでしょう。

 良郎さんがラッキーだったのは、独学で得た技術論が間違っていなかったこと。そのうえで、娘さんたちが素直に父の教えを守ってくれて、さくら選手にすごい才能があったからでしょうか。

 現在も、女子選手はいちいちコーチの戦績を聞いてきたりしませんし、素直に話を聞いてくれますから、男子選手に比べて、教えやすいのではないでしょうか。

 あと、イケメンコーチであることも、すごく大事みたいですけど......。

(3)ナショナルアカデミーの創設
 欧米には、立派なゴルフアカデミーなる組織があって、ゴルフ研究に余念がありません。日本には、そんなのないですよね。だから、ナショナルチームのコーチに、オーストラリアのナショナルチームコーチ、ガレス・ジョーンズ氏を招聘したわけです。

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