【木村和久連載】ピンキリあるプロゴルファーの収入を探ってみた (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 それはともかく、安田選手の所属契約は将来性を買われてのものですが、成績次第ではさらなるオプションがついて、億万長者になることも夢ではないです。すでに、ほかにも多数のスポンサーが名乗りを上げていますからね。いろいろなところで露出していくでしょうし、ツアーでの活躍が楽しみです。

 女子プロがちやほやされるのは世の常とわかっておりますが、反面、厳しいのは男子プロの世界です。

 誰でも知っている有名な企業がスポンサーになってくれるならバンザイですが、実際は「聞いたことがない会社のロゴを貼っている」という男子プロは結構います。

 レギュラーツアーでそこそこがんばっていると、後援会みたいな組織ができて、その中の世話好きな人が、どこぞの会社の社長にかけあって、「スポンサーになってくれ」と懇願するんですね。

 そこで、気前のいい社長がいると「よしわかった」と、ポロシャツの肩や胸などに企業名ロゴを貼ってくれます。実際の広告宣伝効果は未知数ですが、それはまあ「応援しているから、がんばれ」みたいな意味を込めたもので、社長さんがウン百万円ぐらいポンと出している、そんな感じです。

 さほど稼いでいないプロは、どの世界にもいます。野球でも、サッカーでも、それは同じじゃないですか。ラグビー選手も一気に有名になったけど、ついこの間まで、ほとんどの選手が会社に所属して、働きながらやっていたわけですから(※現在もすべての選手がプロ契約しているわけではない)。

 最後に、厳しいながらも、オイシイ話を少々。

 プロゴルファーは、1回プロになったら、よっぽどのことがない限り、ずっとプロでいられます。しかも、シニアやグランドシニアの世界まである。そこで、遅咲き選手として花開く可能性もあるのです。

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