【木村和久連載】日本の男子ツアーはどうやったら面白くできるのか (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 アメリカは、シャッター音のしないカメラであれば、撮影オーケーにしているところもありますからね。

 とにかく、やり方によっては、日本の男子トーナメントも派手に演出できるわけですから、そこのところ、もっと考えてほしいです。

(3)テレビ用の演出を考えるべき
 女子のトーナメント中継では、テレビ局側が勝手にドラコン測定とかやっていますが、「お~、270ヤード飛んだぁ~」なんてホールは、ボールの落下地点が微妙に下り傾斜だったりします。だとしても、そういう演出はやったほうがいいです。

 結局のところ、NHKの"リアル主義"な作り方が、仇になっていますよね。昔のジャンボ尾崎選手のように、本当に規格外だったら、そのまま映しても問題ないのですが、今の日本の男子プロでは、「なんか工夫しないといけないかなぁ」って思います。

 試合というのは、プレーヤー同士の間で差がつけばいいので、グリーンが速かろうが、遅かろうが、視聴者はさほど気になりません。

 どこの国とは言いませんが、ボサボサのグリーンでトーナメントをやっていたのを、テレビで見たことがあります。それを思えば、できることはいろいろとあると思うんです。

 コースレイアウトをより面白くするとか。その結果、派手な池ポチャがあったり、海越えのグリーンに乗せたり、そういうアトラクション的な光景があって、視聴者は興奮を覚えるんですよ。

 コースの運営や設定に関して、どこを向けばいいのか? 男子ツアーの関係者は悩んでいるんじゃないでしょうか。でも、最終的には「昔からの伝統だから」と言って、ラフを伸ばしてフェアウェーを狭くし、グリーンを速くしておけばいいや、くらいの演出しかしないのが、日本の男子ツアーの現状です。

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