【木村和久連載】日本の男子ツアーは
どうやったら面白くできるのか

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

◆セッティングの難しさ
 日本を代表するトーナメントですから、4日間トータルで5アンダーぐらいのセッティングにしないといけない――ツアーディレクターは、そう考えるわけです。

 けど、それが裏目に出て、見ているほうは全然面白くありません。ゴルフを知らない人は、おそらく「こいつら、下手なんじゃないか」くらいの勢いで見ていますよ。

 かなり高度なショットを打っているけど、それが、視聴者に伝わらないんですな。だから、到底「見に行こう」なんて思わないわけですよ。

 こうなったら、ツアーディレクターは安いプライドを捨てて、バーディー&イーグルが量産できるセッティングにしましょうよ。通算20アンダーで優勝って、派手でいいじゃないですか。

◆NHKの放送が地味
 日本オープンは、日本を代表する由緒ある試合なので、NHKは4日間のトーナメントをBSも使って、昼からほぼ完全放送する熱の入れようです。

 しかも、NHKだから淡々と"その場で喋っちゃいけない臨場感"まで伝わってくるので、見ている視聴者が、まるで正座して見なきゃいけない感覚に捉われます。これじゃあ、視聴率は取れませんよね。

 要するに、演出方法が古すぎると思います。もっと賑やかにしないと。

 けど、NHKじゃあ限界があります。いっそ、放映権を民法に譲ったらいいんじゃないですか。

◆名物ホールがバラバラ
 三井住友VISA太平洋マスターズが開催される太平洋クラブ 御殿場コースの池がらみの18番や、日本シリーズJTカップの舞台となる東京よみうりカントリークラブの18番ショートなど、おおよそ各トーナメントには、シグネチャーホール(※見せ場となるホール。そのコースを代弁するようなホール。強い印象や衝撃を受けるホール)ってあるじゃないですか。

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