女子ツアーを盛り上げた実力派5人が語る2019年の反省と新たな決意 (3ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • photo by Getty Images


柏原明日架(23歳)
かしわばら・あすか/1996年1月30日生まれ。宮崎県出身。
2019年シーズン賞金ランキング11位(獲得賞金:7496万2106円)
出場37試合。優勝2回。トップ10入り5回。

 成績だけでいけば、優勝できましたし、よかったシーズンだったのかなと思います。でも、年間を通してみたら「まだまだ」という部分は自分の中にあります。2勝できたといっても、スタッツを見ると、パーオン率がまだまだ低いし、そういった部分をもっと上げていければ、「もっと成績もアップできたのに」と思った一年でした。その意味でも、(このオフは)パーオン率を上げられるように、練習やトレーニングをやっていこうと思います。

 今思うと、ツアー初優勝につながった試合は(8月の)CAT Ladiesでした。あの試合は、優勝が目の前まできていたのに、自分の弱さみたいなもので負けてしまった(4位タイ)、今年一番悔しい思いをした試合でした。自分の弱さで逃した勝利だったから、あの試合のあと、勝ちに対する気持ちがより強くなって、それが1カ月後のミヤギテレビ杯ダンロップ女子の優勝につながったと思います。

(自分よりも若い選手の優勝を目の当たりにして)焦りとかは、もちろんありましたよ。若い選手がどんどん出てきて、自分が「調子がいい」と思って臨んだ試合でも勝てないし......。そんな焦りを感じている時に、周りの先輩に助けてもらいました。

(同郷の)大山志保さんからは、「1勝目の早さが問題じゃなく、(大事なのは)選手生活を終えた時、何勝しているかだよ」という言葉をかけてもらったし、アン(・ソンジュ)ちゃんからは「そんなに焦らなくていいよ」って言われました。ひとりじゃ、絶対に(優勝することは)無理だったと思いますね。

 そういう言葉があったから、(CAT Ladiesで優勝を逃したあとも)気持ちを切り替えることができたし、いい精神状態で試合に臨めたことが、初優勝や2勝目につながったと思います。そういう意味では、すごく恵まれた年でした。これまで、自分で変わろうと思っても変われなかったけれど、今年は、そういう言葉をいただいて、変わることができた。みなさんに、すごく感謝しています。

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