【木村和久連載】プロツアーを含めたゴルフ業界が儲かる方法はあるか (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(3)熱心に試合を見ない人を呼ぶ
 ベイスターズのホームとなる横浜スタジアム、通称「ハマスタ」が集客に成功したのは、ある意味、熱心に試合を見ない人を呼んだから。家族連れや女子会仲間がBOXシートでワイワイやるのは、賑やかで楽しそうです。

 ゴルフにおいても、何回かVIP席で観戦したことがありますが、多くの方々は、さほど試合を見ていません。みんな、「どうもどうも」「ようこそ、いらっしゃいました」と社交をやっているケースが多いです。

 かつて、F1のモナコグランプリを、モナコのマンションで見るパーティーの模様がテレビで映っていましたけど、誰も目の前の公道レースを見ていませんでした。むしろ、窓を開けて「うるさいわね」くらいの勢いでしたから。実際、F1はスピードが速くて、ヘアピンカーブじゃないと、肉眼で視認できませんし。

 だから、そのパーティーでは、3割ぐらいの人がテレビ観戦していて、あとはモナコグランプリをネタに、シャンパンを飲んで騒いでいる、そんな姿が映っていました。

 というわけで、ゴルフ場にも、テレビモニターがあるプレハブのVIPルームをいくつか設置して貸し出せばいいんです。先に触れたゴルフ場内に常設するスタジアムにも、家族や仲間たちで楽しめるBOXシートやVIPルームを設置するといいでしょうね。そうすれば、お金がたくさん入ってきます。

 要するに、お金を落とすセレブ客は、緑の多い場所で、シャンパンを飲んで、美味しいものを食べて、「シブコもなかなかがんばってるじゃん」と、上から目線でモノを言って、日がな一日楽しめればいいんです。

 とにかく、セレブ感をくすぐる施設を作って、ゴルフを真剣に見ないお客さんをたくさん集めたもの勝ちっていうことですよ。

(4)キャラクター&ブランド
 その昔、中学生の時、アーノルドパーマーの傘マークがついたベストを着ていた記憶があります。木村少年が、生まれて初めてゴルフブランドらしきものと接触したのです。

 あの頃のゴルフブランドの威力は、凄いです。まったくゴルフをやらないし、ルールさえ知らない田舎の少年にベストを買わせるのですから。

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