【木村和久連載】プロツアーを含めた
ゴルフ業界が儲かる方法はあるか

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 結局、野球って「2アウト満塁。カウント2-3」みたいな時に集中して見ればいいわけで、あとは飲み食いしていても大丈夫なんですな。

 ゴルフも、選手がショットやパットを打つ以外は結構時間があるわけで、こうした野球場における工夫を、うまくゴルフ場にも転化できないものか、と思っています。

(2)ゴルフ場への観客動員
 なんで、ゴルフの試合に人が来ないのか?

 そもそも会場が僻地にあり、交通の便が悪いからです。だから、都会の交通の便がいいところにコースを造ればいいんですが、それはさすがに現実的ではありません。ならば、近郊のコースを改造して、スタジアム化したら、どうでしょうか。

 アメリカ・アリゾナ州にあるTPCスコッツデールは、PGAツアーのフェニックスオープンの開催地として有名です。トーナメントが開催される1週間の総入場者数は、60~70万人と言われています。

 圧巻なのは、同コースの象徴でもある16番ショートホール。360度観客席に囲まれていて、まさに野球のスタジアムのよう。そこだけで、およそ2万人を収容できると言われています。

 このレベルは大げさでしょうが、交通の便がよろしい地域に、4日間で10万人ぐらい集客できるコースを造ってみては? と思うのです。

 ちなみに、日本のツアー最高入場者数(4日間)は、1992年の中日クラウンズで、6万1530人です。その数字を見れば、10万人の入場者数も、決して不可能じゃないですよね。

 簡易施設のスタジアムを常設し、その施設内には売店やレストランがあって、水洗&洋式&エアコン付きのトイレが100台ほど設置してあるといいでしょうね。

 そして、日本のツアーなら、男子、女子、シニアの3大ツアーのトーナメントを、毎年必ず1試合は開催する。あとはコンサートなどのイベントにも使ってもらい、スケジュールが空いている時に、一般に開放すれば問題ないでしょう。

 こういうコースを造るか、立地のいいどこかのコースを改造すれば、そのコースの認知度が上がり、プロトーナメントの動員数もアップするんじゃないですか。


ゴルフで格闘することはありませんが、これくらいの臨場感があったら面白いでしょうねゴルフで格闘することはありませんが、これくらいの臨場感があったら面白いでしょうね

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