渋野日向子が「なっさけねえ」
4パットも吉兆か。「やけ食い」で変心

  • 柳川悠二●取材・文 text by Yanagawa Yuji
  • photo by Getty Images

「4パットがかなり足を引っ張っているんですけど、そこから切り換えて、2アンダーで回れた。明日への課題は、4〜5mのバーディーパットがひとつも入っていないので、そこを決め切らないと、上位にはいけない。あとは、4パットをしないこと。いいスタートが切れたので、残り3日間、のびのびと悔いのないようにできたら」

 首位のテレサ・ルーと3打差の3位タイ発進は、上々の出来だろう。

 一方、賞金女王レースで、賞金ランキング3位の渋野に約1500万円差に迫られている同1位の鈴木愛は、11番までに3アンダーとし、上位に名を連ねていた。

 流れが変わったのは、15番パー4。第1打が左の林に入り、第2打は出すだけ。このホールをボギーとした。

「14番までショットも、パットも、つけるラインもすごくよかった。ところが、15番はティーショットで風の向きを読み間違えて......。右からの風だったんですけど、『左から』と(キャディーに)言われて。左に打ち出したら、流されて左の林の方に。下も上も(ボールを)出せなくて......」

 鈴木は、誰がバッグを担ごうとも、風の読みに関してはキャディーに一任しているという。

「私は風が読めない。自分のミスだったらしょうがないかなと思う部分があるんですけど、私のミスじゃないだけに、腹が立ちました。(キャディーに)『この分、取り返せよ』って思います(笑)」

 15番のあと、鈴木は16番、18番でもスコアを落とし、首位と5打差のイーブンパー、10位タイでフィニッシュした。

 ゴルファーとキャディーは、二人三脚の関係とはいえ、キャディーを選任するのもゴルファー自身であれば、プレー中の一打一打の責任も、ゴルファー自身がすべて背負うべきだろう。鈴木の発言が、2日目以降の信頼関係、そしてスコアに影響しないか、不安を抱いてしまうのである。

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