渋野日向子が魅せたスーパーショット。鈴木愛の猛チャージに食らいつく (2ページ目)

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 片や、渋野もショットは好調だった。バーディーチャンスにもつけていた。初日の彼女は、それをかなりの確率で決め、バーディーを重ねた。しかしこの日は一転、パットに泣かされることになった。

 10番では約4m、11番では1.5m、12番(パー3)では2.5m、13番(パー4)では2.5mと、バーディーパットをことごとく外した。そして15番(パー4)では、ついにパーパットも外してしまう。

「朝からチャンスにショットをつけることができて、何回かチャンスがありながら、なかなか(パット)が決まらず、そこからショットまで悪くなって......。なかなか波に乗れませんでした」とは、ホールアウト後の渋野の弁だ。

2日目はパットに泣かされた渋野日向子2日目はパットに泣かされた渋野日向子 渋野が伸び悩むなか、鈴木も14番、15番と連続ボギーを喫した。雨と寒さ対策のため、スカートからオーバーパンツに着替えたことが災いしたのだろうか。15番で短いパーパットを外したあと、次のホールに向かう道で、シューズを地面に蹴りつけるようにして、怒りを発散させていた。

 15番を終えて、渋野が5アンダー、鈴木が6アンダー。先にバーディーを奪ったのは、鈴木だった。17番(パー5)でおよそ5mのバーディーパットを見事にねじ込んだ。

 その光景をフェアウェーから見届けた渋野は、エッジまで225ヤードの第2打を6番アイアンで刻み、3打目勝負に出た。

 ピンまで残り86ヤード。52度のウェッジで打ったボールは、ピン手前2mに着弾。渋野もバーディーを奪った。それまで入らなかった距離がようやく入ったという感じだった。

 最終18番(パー4)。鈴木が先に約6mのバーディーパットを鮮やかに決め、通算8アンダーでホールアウトする。

 追いかける渋野もショットで魅せた。ピンまで残り133ヤード。8番アイアンで打った第2打をピンの根元、わずか30cmの距離にピタリとつけた。今年の女子ゴルフ界を席巻したヒロインが、その存在をあらためて誇示するようなスーパーショットだった。

 鈴木と同様、セカンドラウンドの最後を連続バーディーで締めくくった渋野。通算7アンダー、9位タイで2日目を終えた。

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