【木村和久連載】第4次ブーム到来か。
日本のゴルフブームを検証する

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 早々に米ツアー参戦も果たし、2010年には世界ランキング1位にも輝きました。そんな、宮里選手が活躍していた約10年間は、たしかに"藍ちゃんブーム"が起こっています。

 その間、男子ゴルフ界にも新たなスター選手が彗星のごとく現われました。石川遼選手です。2007年、弱冠15歳(高校1年生)でプロツアーを制し、日本中に衝撃を与えました。彼もプロになって、すぐに活躍。2009年には、18歳80日という史上最年少記録で賞金王に輝きました。

 この3人を合わせて、つまり、タイガー、宮里選手、石川選手が躍動した時代を、日本の"第3次ブーム"と言ってもいいんじゃないでしょうか。

 日米で、強くて、カッコいいスターが登場し、ゴルフへの注目度は間違いなく高まったと思います。バブルアフターで、アマチュアの世界では、ゴルフ場の預託金返還問題などハード面でのトラブルもありましたが、タイガーのおかげでナイキのポロシャツは飛ぶように売れました。

 とくに日本では、高校生からスターが誕生。たくさんの子どもたちが、宮里選手、石川選手の活躍に影響を受けて、ジュニアゴルファーの数はぐんと増えました。

 ということで、個人的には、この時代を"第3次ブーム"とさせていただきたいと思います。

 このあと、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災によって、日本全体が経済的なマイナスムードに覆われます。結果、ゴルフどころではなくなるのです。

 経済面で復活の兆しが見えてきたのは、安倍晋三内閣になって、日経平均株価が2万円を超えた頃でしょうか。世間ではそこから、そろそろゴルフを堂々とやってもいいんじゃないか、という雰囲気になりました。

 そうして、アメリカではドナルド・トランプ氏が大統領に就任。安倍首相、トランプ大統領という大のゴルフ好きが頻繁にラウンドするようになります。そうして、ゴルフ会員権相場もゆるやかに上昇し始め、全国的にゴルフが注目されていきます。

 その矢先のことでした――。

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