【木村和久連載】大盛況のラグビー界にならうゴルフ界の強化と国際化 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(2)国家プロジェクトによる選手育成
 日本人選手は「海外で通用する選手が少ない」と、以前から言われています。今は、男子でそれなりの結果を残しているのは、松山英樹選手ひとりだけ。これが、日本の大学ゴルフ部出身の限界だと思います。

 卒業後は、自分で腕を磨くわけでしょ。それじゃあ、ムラが出るし、スキルアップが保証されるわけではありません。

 建前は「オリンピック出場を目指して」で構わないので、国家プロジェクトによって選手を育てていくことが急務だと思います。海外から有名なコーチを招聘して、10代のうちから、将来性のある選手を指導していくのです。

 そういうアカデミーを国家予算で作り、門戸を広げて、海外からの留学生も受け入れるとかもアリですね。

 選手育成のための、専門コースも造ったほうがいいでしょう。沖縄に、世界標準の全長7400ヤード、バミューダ芝のコースを併設した施設を建設。そこで合宿したり、寮生活したりするのもいいんじゃないですか。

 ゴルフは、個人でやっているから、成績が伸びないと思うんですよ。国を挙げて、選手を育成すべきです。今や、そういう時代がやって来たと思います。

(3)『ZOZO CHAMPIONSHIP』は正解

 アメリカPGAツアーの日本誘致は、正解です。ZOZOの社長を退任した前澤友作さんが残した最後の偉業は、これです。

 海外のメジャーな選手が毎年日本にやって来て、その実力を目の当たりにする――これって、とても大事なことです。

 また、日本開催なら"地の利"もあって、ハイレベルな戦いのなかでの、日本人選手の活躍も見込めます。かつて、ジャンボ尾崎選手は「海外では弱い」みたいなことを言われていましたけど、日本開催のトーナメントでは、海外から実力者がやって来ても、かなりの確率で勝っていました。これぞ、"ホームの強み"ってやつです。

 ラグビーワールドカップでも、日本は"ホームの強み"を発揮できたじゃないですか。7万人が目の前で応援してくれるから、そのあと押しを受けて、日本は快進撃を見せました。結果、大会自体もすごく盛り上がりました。

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