渋野日向子の「決断」にドキドキ。東京五輪など今後へ最善の策は? (2ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text by Kim Myung-Wook
  • photo by Getty Images

 一方で、これまた渋野と同じ"黄金世代"の河本結は、「子どもの頃からの夢だった」と米ツアー挑戦を早々に表明。10月23日から(11月2日まで。計8日間)始まった最終予選会に参加している。ここで、45位タイまでに入れば、来季の出場権を獲得できる。

 河本がこうした答えを導き出したのは、もともと海外志向が強いのもあるが、来年には東京五輪があるからだ。五輪に出場するためには、世界ランキングを上げるしかない。その最善策が、ポイントの高い米ツアーに挑戦して結果を出すこと、と判断したわけだ。

 そんな同世代の果敢なチャレンジにも渋野は、「(河本は)以前からずっと『アメリカで戦いたい』と言っていました。なので、(河本の米ツアー挑戦に)驚きはないですね」と、淡々としたもの。自身の気持ちが揺らぐことはなかった。

 渋野の関係者によれば、いきなりの海外挑戦は、肉体的にも、精神的にも負担が大きく、焦ってチャレンジしても結果は出ない、という判断もあったそうだ。

 とはいえ、目標としている東京五輪出場のためにも、出場できる米ツアーの試合には、積極的にスポット参戦していく意向だ。そして早速、マスターズGCレディースの翌週には、主催者推薦を受けて米ツアーのスウィンギングスカートLPGA台湾選手権(10月31日~11月3日/台湾)に出場する。渋野が語る。

「台湾の試合に出るって決めたのは、来年のオリンピックが大事なので。世界ランキングを上げるとか、今の位置を維持するためには、米ツアーに出ないといけないと思ったからです。米ツアーのセッティングをもっと体験したいのと、それに挑戦したいという気持ちもありました。出るからには、しっかりといい成績を出したいなと思っています」

 渋野が米ツアー参戦の登録を急がないのは、全英女子オープンの優勝で、いくつかの恩恵を得られたこともある。優勝した全英女子オープンには、向こう10年間出場できる。さらに、海外メジャーのANAインスピレーション、全米女子オープン、全米女子プロ選手権、エビアン選手権には、今後5年間の出場権が与えられている。

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