【木村和久連載】ミスや罰を消す。「ゆるりゴルフ」があっていいかも (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ある日、先生の前でウッドを持って打とうとしたら、ボールがディボット跡に入っていて、あんぐり......。先生が見ている手前、ズルすることもできないですから、しぶしぶそのまま打とうと構えたら、突然先生が「ダメダメ。ディボット跡から打つなんて、10年早い! どうせ、打てないだろ。ボールを打ちやすいところに避けて打ちなさい」と言うのです。

 そこで、こちらが「これは、スコアを出す研修会ですよ。いいの、そんなことをして?」と目で訴えます。すると、先生はこう言いました。

「悪球打ちは、スイングが乱れる。ゴルフもいいライから打ってスイングを学び、うまくなったら、悪いライからでも打ちなさい。(ディボット跡から打つのは)キムラくんにはまだ早すぎる」

 後藤先生は元プロ野球選手ですから、何でも野球に例えます。「松井(秀喜)は絶対に悪球を打たない。だから、フォームがいい。長嶋(茂雄)は、悪球をホームランに変えていたけど」など、面白いコメントが目白押しでした。

 そんなわけで、先生は他の研修生にも悪いライからは打たせませんでした。木の根にはまっても「避けて打てばいい」と、自動的に6インチプレースの研修会になっていたのです。

 私は今でも後藤先生の教えを守り、プライベートラウンドの時は、同伴メンバーの承諾を得て、6インチプレースでラウンドをしています。そうやって、いいスイング&スコアの癖をつけて、「(教え子に)自信を持たせるのは、すごく大事」と、先生は常日頃からおっしゃっていました。

 そうやって、みなさんも難易度を下げてラウンドしてはいかがでしょう。

仲間内のラウンドなら、「楽しさ」優先でいいと思いますけどね...仲間内のラウンドなら、「楽しさ」優先でいいと思いますけどね... また、スコアカードを書くことに関してですが、年に数回、仲間とニギリもせずに、ただラウンドすることってありますよね。そういう時は、他の人のスコアはつけません。

 別に競争しないのだから、マーカー役はやらなくてもいいでしょ。打順も今はフリーですから、間違えても失礼には当たりません。自分が叩いたら、最後に打てばいいだけです。

 本音を言うと、そういうラウンドの時は自分のスコアもつけたくないのですが、「だったら、ゴルフするなよ」となるので、とりあえずはつけます。

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