アマチュア泣かせのショートパット。カップインの確率を上げるには?

  • 吉田洋一郎●レッスン lesson by Yoshida Hiroichiro

世界一流コーチのメソッドで解消する
アマチュアゴルファーの悩み(4)
――パター編(後編)

 若き日よりアメリカに渡った吉田洋一郎氏は、「世界ナンバー1のゴルフコーチ」とも称されるデビッド・レッドベター氏ら、およそ100名以上の一流インストラクターに最先端のゴルフ(レッスン)メソッドを学んできた。

 レッスンのプロが100人いれば、100通りの理論があるのが、ゴルフというスポーツ。本連載では世界のトップゴルファーが取り入れている技術、思考法、トレーニング法を、吉田氏が日本のアマチュアゴルファーのために特化して、伝授する――。

◆レッスン5:パッティングの基礎(理論編)
ジャストタッチではなく
カップの43cmオーバーを心がけよ

 パッティングにおいては、1mから2mの距離でも「絶対に入る!」とか、「この短い距離を外したらまずい」とか、自らに過度なプレッシャーをかけるような思考を持つことは避けたほうがいいでしょう。

 私の指導経験上、残り1mの距離でも、パットが入る確率はアマチュアの方でおよそ8割です。これが2mになると、おおよそ4割ぐらいにまで落ちます。アメリカのPGAツアーで戦う選手でさえ、2mの距離が入る確率は6割程度ではないでしょうか。

 当然ながら、カップまでの距離以上に転がさなければ、ボールは入りません。米国のパッティングコーチであるデーブ・ペルツは、自ら検証して統計をとり、「パッティングは、43cmオーバーの距離感が一番入りやすい」という結論にいたって、それを提唱しています。ジャストタッチよりも、43cmオーバーするぐらいの強さが、最も入るというのです。

 フィル・ミケルソン(49歳/アメリカ)は、このデーブ・ペルツにパッティングを教わるようになってからマスターズを2度制していますし、女子のミッシェル・ウィー(29歳/アメリカ)も師事していた時期があります。ぜひ「43cmオーバー」を心がけてください。

 転がりの強弱は、基本的に振り幅で決定します。バックスイングはフォローより若干小さな振り幅となります。

 ここで大事なのは、必ずバックスイングからフォローまでを、メトロノームのように等速で振ることです。等速でパターを動かす過程に、ボールがあるというイメージを持ちましょう。

 そして、左右のブレを防ぐためにも、ボールに対してパターをスクエアにヒットさせることは必須です。

 まず、アドレス時からスクエアに構えることが大事になります。構えから間違っていると、軌道の中で修正することは極めて難しくなるのです。

 パッティングにおいて、デーブ・ペルツは「パターの軌道よりも、正しく構えられていることのほうが大事だ」と言っているぐらいです。

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