【木村和久連載】ゴルフは接待経費。今でも「出世」の道具と言えるか (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 あとは、加算されるオプション次第です。贅沢をすれば、きりがありません。ハイヤーの送迎をつけて、プレー後は銀座のクラブで打ち上げまでしたら、ゴルフの何倍もの予算になります。

 ただ、仕事の成否にかかわらず、丸一日取引先とゴルフをすると、相手の性格も把握できます。「怒りやすい」「わがまま」「独善的」......って、大方のVIPはそうですが、それにプラスして「平気でズルをする」とか「シモネタが好き」とか、または「押しに弱い」「義理人情に厚い」とか、一緒にラウンドするといろいろなことがわかるので、営業などにおける次の戦略作りに役立てることができます。

(4)ゴルフ部出身の若者
 ゴルフ人口が減っている現在だからこそ、ゴルフをやっている若者は貴重な存在です。おかげで、体育会ゴルフ部出身の若者は、就職してから頭角を現しやすいと言われています。幹部連中がゴルフをやるので、接待要員として、需要があるのです。

 会社って、見栄もあるから、うまいメンバーもひとりぐらい入れておきたいのです。これが、女子でシングルの腕前なら、もうそれだけで重宝されます。おそらく、連日接待ゴルフに駆り出されるでしょうね。あと、コーチとしての役割もあって、早々に出世コースに乗れるのではないでしょうか。

 とはいえ、それは会社の幹部がゴルフをやっている場合のみ、ですよ。社長がゴルフ嫌いで、もっぱら釣りとなったら、釣り好きが重用される......って、漫画『釣りバカ日誌』(小学館)みたいですね。

 就職前の学生にとって、そこら辺のマーケットリサーチは重要です。せっかく覚えたゴルフの腕前ですから、志望する会社でゴルフは盛んなのか、そこを調べておくのは大事だと思いますよ。何事も、求められているところで、実力を発揮させましょう。

(5)安倍首相&トランプ大統領の影響
 現在の社会においては、日本の安倍晋三首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領がゴルフをやっている影響はデカいと思います。

 そもそも日米の歴代首脳は、総じてゴルフをやっています。ゆえに今後も、社会で成功した人の嗜みとして、ゴルフは残っていくんじゃないですか。

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