【木村和久連載】善行の押し売りか。「ターフエイド」をどう考える? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 でもそれが、高校ぐらいになると、やらないところもあります。予備校や大学となれば、生徒がやることは完全になくなって、業者の人が掃除をやっていました。

 掃除は、教育の一環だったのでしょうか? ただの人材不足、予算不足だから、子どもにやらせていたのかもしれません。

 そう考えると、ディボット跡の砂埋めも「マナー」という名のもとに、ゴルフ場のサービスが行き届かない部分を、お客さんが補わされているのではないか。そう捉えることもできます。

 我々は、なんか騙されていませんかね?

●名門コースはキャディーが全部やる
 名門コースでは、おおよそキャディーさんが付いてラウンドします。そういう時は、ダフッてもキャディーさんがスコップで砂を撒いて、ディボット跡を埋めてくれます。

 バンカーから打ったあとの砂ならしも、プレーヤーがやろうとすると「いいですよ。あとはやりますから」なんて言って、キャディーさんがレーキで砂をならしてくれます。

 つまり、ゴルフのラウンドにおいては、キャディー付きの"フルサービス"と、キャディーが付かない"セルフプレー"があって、セルフプレーでは、バンカーならしや、ディボット跡の砂埋めも、自らやらなければいけない、ということです。

 ただ、ディボット跡の砂埋めは、コースのメンテナンス作業の部類に入ると思うんです。セルフサービスのうどん屋さんで、食後のどんぶりが乗ったトレーをテーブルなどに置いたまま帰ったとしても、大した問題にならないですよね? ディボット跡の砂埋めも、それと同じようなこと、と理解してもいいんじゃないでしょうか。

●ビギナーにはつらすぎる作業
 ディボット跡の砂埋めを、メンバーさんは大抵やりますよね。それは、ホームコース、すなわち"我が家"ですから、自分の庭の芝が傷んだ時と同じように、修復作業を行なうわけです。

 あと、シングルさんね。うまい人は、ショットの数が少ない。トータル70回ちょっとしか打たない。だから、周りを見る余裕があるので、ゴルフを嗜む"紳士"として、他の人の分まで砂撒きをしてあげるんですな。

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