「シブコ・フィーバー」に衰えなしも、渋野日向子が振るわなかった理由 (3ページ目)

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 人とのコミュニケーションに慣れているというか、とにかくこの人は気さくだ。うっかりしていると、こちらに喋りかけてきそうなフレンドリーさを感じる。30年、40年後は、まさしく関西のおばちゃん系になっているのではないか......。

 それはともかく、優勝争いの行方は、畑岡が13アンダーで、2位吉本ひかる以下を2打差引き離す展開だ。

 畑岡は一時、15アンダーまで伸ばしていた。それが13アンダーにへこむことになった"事件"は、渋野がナイスショットを放った例の16番で起きた。

 畑岡はその第2打をグリーンの奥にわずかに外す。そこには深いラフが待ち構えていた。アプローチの難易度はメチャメチャ高そうに見えたが、畑岡がそこで空振りするとは想像もしなかった。

 正確に言えば、ラフの上に浮いたボールの下をクラブヘッドが、だるま落としのように抜けていったわけだが、間近で見ていたこちらはびっくりだった。見てはいけないものを見てしまったような沈黙が、ギャラリーの間に走った。

 ゴルフは、大袈裟に言えば事件の連続だ。よい事件もあれば、悪い事件もある。最終日は、いったいどんな事件が起きるのだろうか。

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