渋野日向子の魅力を生観戦で実感。予選落ち危機もまさかの結末にあ然 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●取材・文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by Getty Images

 さらに、続く6番ショートもボギー。7番のパー5ではなんとかバーディーを奪ったが、これで6ホール連続パーなしという慌ただしいゴルフだ。

 続く8番の距離の短いミドル(365ヤード)。同伴競技者の朴仁妃(パク・インビ)のティーショットはフェアウェーのセンターへ。青い発色のいいパンツルックがよく似合う上田桃子は、それより30~40ヤード先に飛ばす。

 渋野はどうなのか。こちらは、上田の方向だ。つまり、飛んでいる。しかし、最後のひと転がりで、左の深いラフに吸い込まれてしまった。大ピンチである。

 朴のセカンドはナイスショット。ピンに絡むバーディーチャンスだ。クラブを振っているというより、パチンと当てて押し出しているイメージだ。

 上田も安定感のあるショットでグリーンを捉える。

 そして、渋野。ラフからの難解なセカンドは、予想どおりショート。グリーン手前の深いラフに捕まった。これまた、大ピンチである。

 朴はお見事バーディー。上田はバーディー逃しの惜しいパー。そして渋野は、緊張のパーパットをなんとか沈め、2オーバーを死守した。このままいけば、おそらく予選通過。

 テレビの視聴率は、彼女が予選を通るか通らないかで、何%違うのだろうか? 今、一番視聴率を左右する大物である可能性が高い。

 迎えた最終の9番。渋野はティーショットで暫定球を打った。動体視力の悪いこちらはコース脇の現場で、1発目の行方を見逃していたので、てっきりOBだったのかと思い込んでいた。

 万事休す。予選落ち確定。申し訳ございません......ゴルフ業界に対して、なぜか私が謝りたい心境だった。

 渋野は続くショットをピンに寄せ、1パットでフィニッシュしたが、焼け石に水。通算3オーバーでホールアウトしたかに見えた――ところが、9番ホールのグリーン上でスコアボードに目をやれば、スコアは「1オーバー」となっている。つまり、このホールはバーディーだったことになる。

 なぜ? 試合後のコメントを聞いて、ようやく納得できた。

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