【木村和久連載】疲労もストレスも半減。「救世主」乗用カートに敬礼 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 アメリカは、そもそも車社会です。日本より、全然歩きませんよ。

 じゃあ、日本はどうか。

 日本のコースは、山岳や丘陵コースが多く、乗用カートはまさに"救世主"でした。「あそこのコースは面白いけど、アップダウンがきつくて......」と言われて、結構敬遠されるコースが多かったですからね。

 どのコースも、すべてが上りのコースというわけではありません。上りと下りと半分ずつ、というのがよくあるパターンです。

 そうした日本の多くのコースでは、「あのアウトの3ホールの上りがしんどくて......」などと、ぼやくお年寄りがいっぱいいました。そこでの乗用カートは、本当に威力抜群でした。

 しかも、日本の場合、家からゴルフ場までの移動距離が長い。ゆえに、コースに着く頃には、運転で神経をすり減らして、疲れているゴルファーがたくさんいます。そこで、さらに歩きのラウンドとなると、完全に体力を消耗してしまいます。帰りの運転のことも考えれば、「乗用カートに乗って、体力を温存させよう」――そんな"作戦"もあり、でしょう。

 ここで、歩きと乗用カート、それぞれのラウンドにおける体力消費量をざっと比較してみます。

 6300ヤード程度のコースを歩いてラウンドした場合、途中で崖や谷にボールが捕まったことも考えれば、歩く距離はおおよそ8~10kmぐらいでしょうか。上手じゃない人が、それ以上余計に歩くのは仕方がないことです。

 一方、乗用カートに乗ってのラウンドですが、カート道路に沿って走るカートで考えると、カートに乗っていても、ボールの地点までは歩かなければなりません。同伴メンバーのボール探しも手伝うし、グリーン近辺はすべて歩きと考えると、おそらく5㎞ぐらいは歩くことになるのではないでしょうか。

 結局、その歩く距離の差を考えれば、歩きのみのラウンドのほうが体力を消耗して、肉体的には疲れます。「ゲームをした」という精神的な疲労はどっちも一緒ですが。

こんなカートに乗ってラウンドできたら楽でしょうねぇ...こんなカートに乗ってラウンドできたら楽でしょうねぇ...

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