渋野日向子は、周囲が騒がしくても、
体調が悪くても、なぜ強いのか

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(イーブンパー以上のラウンドが継続できたことについては)正直、よかったなと思います。(ティーショットなど)考えている部分があるので、もうオーバーを打っても仕方がないという気持ちもあったんですけど、こうやって継続できたことはうれしいな、と思います。

(北海道ならではの食べ物は)食べましたよ。お寿司系とか、海鮮系は食べました。昨日はサラダを食べたくて、サラダを3皿頼んだら、それでお腹いっぱいになっちゃったんです」

 3日目は、5バーディー、4ボギーの「71」。通算6アンダーとして、ひとつスコアを伸ばした渋野は、そのままトップと2打差の4位タイで最終日を迎えることになった。

「この3日間、アンダーパーで回れたのはよかった。(連続イーブンパー以上のラウンド)記録もつながってよかったです。優勝すると(目標の)1億円を突破しますけど、それは考えていません。やっぱり今、自分の頭の中にあるのは、明日アンダーを出せば(連続イーブンパー以上のラウンド最高)記録に並ぶこと。それが、大事かなと」

 迎えた最終日、渋野は多くのギャラリーが見つめるなか、随所に見せ場を作った。優勝には手が届かなかったものの、この日もひとつスコアを伸ばして、前日に掲げた目標、連続イーブンパー以上のラウンド記録をさらに更新。ツアー最高記録に並んだ。

「誰も成し遂げていないことで(歴代で)1位になるのはすごく価値があると思う。(記録に)並んだからには、新しい記録を作りたい」

 ラウンド後、そう語った渋野。一方で、「長い1週間だった」とも漏らした。今大会も肉体的、精神的な疲労は相当なものだったに違いない。それでも、優勝争いに加わって最後まで大会を盛り上げ、誰もが期待する"記録"まで達成して見せるあたりはさすが。異常なほどの喧騒のなか、心乱されずに戦っている渋野には、あらためて脱帽である。

 全英女子オープン優勝を経て、渋野は1つ上のステージに上がった感がある。そんな渋野の強さについて、ゴルフジャーナリストの三田村昌鳳氏はこんなふうに語っていた。

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