【木村和久連載】老後不安が騒がれるなか、ゴルフを楽しんでいいのか (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 確かに新橋は、銀座や六本木に比べれば、お値ごろですが、なんといっても港区です。ガールズバーで飲んでも1万円ぐらいします。新橋=典型的サラリーマンというのは、まさしく作られたイメージです。

"サラリーマン"のピックアップは、どこの街でもできるんですよ。だから、その感覚や統計で物事を測るのは、やめましょう。結局、小金持ちが陰で楽しんでいるのが発覚すると暴動が起きるので、"庶民"の日常生活を描いて治安を維持している――そんな気がしてなりません。

(5)結局、先のことは誰もわからない
 いいですか、人生80年、好きなことをやって、ゴルフをして、キャバクラに行って、愛人もいて、ウハウハで楽しかった。その代わり、最後の1年間は悲惨で、一文無しの野垂れ死にだぞ、という"キリギリスの人生"があったとします。

 そしてもうひとつは、人生80年、真面目に仕事をしてこつこつと老後に備え、愛妻家で、子煩悩で、浮気もせずにゴルフもしない。やるのは、スマホの無料将棋ゲームだけ。それでも、最後は家族みんなに看取られて、子どもたちにも遺産をのこして死んでいく――俗に言う"アリの人生"です。

 さあ、あなたならどちらの人生を選択しますか?

ゴルフを楽しんでできる人生であれば、十分に幸せですよね...ゴルフを楽しんでできる人生であれば、十分に幸せですよね... 私は迷わず、"キリギリスの人生"を選びます。人生80年のうち、そのうち大半で好きなことをやれるなら、残りの余生は捨てます。

 私が思うに、人生とは「いかに幸せに死ぬか」じゃなくて、「いかに多く、楽しい時間を過ごすか」じゃないですか。

 さあ、答えは出ました。早速、来週のゴルフの予約をしましょうよ。

 ハヴァナイスディ!

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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