藤田光里の意外な一面を見た「アイドルが好き。ライブも行きますよ」 (2ページ目)

  • 古屋雅章●取材・構成 text by Furuya Masaaki
  • 甲斐啓二郎●撮影 photo by Kai Keijiro

 だから、『優勝します』とかそういうことは言いたくなくて、今でもそういうことはあまり言わないですけど、その頃はとく謙虚というか、どんどん控え目な発言をするようになっていきました。自分のことを『あまり取り上げてほしくない』と思っていました。有名になりたくなかったし(笑)」

――プロは有名になってこそ、という感じがしますが......。

「もちろん、プロになればそうなんですけど......。でも、地味にやっていきたかったので」

――「地味」ですか。

「そう(苦笑)。人に(自分のことを)覚えられることとかも怖かった。覚えられるということは、イコール、期待もされるわけじゃないですか。期待されると、『何で(優勝)できないんだろう』って、焦りも感じるじゃないですか。自分が単に『何でできないんだろう』って思うのと、周りに期待されることでそう思って焦るのは、やっぱり違いますよね」

――根が真面目なんですね。

「めっちゃ、真面目ですよ!(笑)」

――ところで、今話題の「黄金世代」の選手たちをどう見ていますか。

「すごいです! 毎回『優勝します!』って言うじゃないですか。メンタルが、すごいなって思いますね。私がそんなことを言ったら、1個ボギーを打っただけで、ハァ~って落ち込んで......。『今日はもうやめてもいいですか』って思ってしまうくらい、(自分は)メンタルが弱いんで(苦笑)」

――あるベテラン選手が、「ちょっと前の若い子たちは、大きなミスをひとつすると、そこから崩れていく子が多かった。優勝を争っている際などは、それを待っていればよかったけど、今の若い子たちは、ミスをしても、そこから盛り返してくるんです」という話をしていました。

「確かに、そう思います。その『崩れていく子』というのは、自分たち世代のことだと思うんですけど、ボギーとかダボを打つと(それを引きずって)そのままバーディーも取れなくて、結局自滅、みたいな......。それって、もうメンタルが弱い典型的なパターンじゃないですか。でも、今の若い子たちは、ボギーを打とうが崩れない。すぐに取り返してくるし、バーディーの数がすごく多いっていう子もたくさんいますよね」

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