セキ・ユウティン、3年目の飛躍。「思った以上に長い道のりだった」 (3ページ目)

  • 水野光博●取材・構成 text by Mizuno Mitsuhiro
  • 牛島寿人●撮影 photo by Ushijima Hisato

 私は、中国でジュニア時代からたくさん優勝し、中国ツアーでは18歳で賞金女王になりました。日本ツアーのレベルが高いことはわかっていましたが、今まで大きな挫折を経験することがなかったので、この2年間、『ゴルフは簡単でない』とあらためて実感しました。日本に来て、なかなか思ったとおりにいかず、戸惑うことばかりでしたが、ゴルフで大事なのは、諦めずに努力を続けることです。そのことを、この2年間で学びました。

 ずっと調子が上向かず、成績も残せない――そんななかで、どうやって成長するために努力を続けるか。万全ではなくても、どう平常心を保っていくのか。多くのことを学んだ2年間でした」

――今季に向けて、とくに強化してきた部分はありますか。

「このオフは、飛距離を伸ばすためのフィジカルトレーニングに、重点的に取り組んできました。中国ツアーは、それほど距離がありませんが、日本のコースは設定が長いので、上位に進出するためには飛距離は欠かせないと感じていました。昨シーズンが終わってからは、すぐに中国に戻ってトレーニングを開始。3カ月間、一日も休まずに、みっちり肉体作りに励んだんです」

――ご自身のインスタグラムにトレーニング風景の動画がアップされていました。かなりハードなメニューをこなしているように感じました。

「おかげで、2年前はドライバーの平均飛距離が220ヤードだったのが、今は260ヤードまで伸びました。ただ、これは今後の"宿題"なんですが、シーズンが進むにつれて、疲労から少しずつ距離が落ち始めてしまいます。1年間を通して飛距離を保つためにはどうしたらいいのか、トレーニングコーチとも相談しようと思っています。

 また、フィジカルトレーニングも大事ですが、技術も大切です。私はスイングの際、下半身の使い方がまだまだ不安定なので、飛距離にムラがあります。もっと練習して、スイングをより安定させる必要があります」

――インスタグラムには、激しいトレーニングによってできた手のマメの写真もアップされていました。

「ゴルフのため、夢のためにできたマメなのでキレイだと思います」

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