渋野日向子の言動を再検証。「天才」とは言わないが「凡人」ではない (5ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Kyodo News

 でも、同期の数が多い"黄金世代"は、目線が同じ年のライバルに向くので、思考にブレーキがかからず、『もっと上へ』とお互いが相乗効果で引き上げられていく。そして今や、ツアー屈指のショットメーカーである李知姫さんやテレサ・ルーさんらが『黄金世代はあのピンを狙ってくるから驚きます』とコメント。先輩たちのほうが圧倒されているんですよ。

 7月の資生堂アネッサレディスで今季2勝目を飾った時も、渋野さんはみんなが手を焼いていた難攻不落の15番(パー4)、17番(パー4)で、バーディーを取ってくるわけです。計り知れない底力を、窮境の場面で出してくる。"黄金世代"は、そういう力を秘めていると思います」

 渋野が遂げた42年ぶりの快挙達成は、これから「黄金世代」が世界のゴルフシーンで巻き起こす大旋風の"序章"にすぎないかもしれない。

 日本の女子ゴルフ界は今、急速に変化している。その先には、これまでの"常識"や"非常識"が通用しない世界が待っている。

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