2019.08.07

渋野日向子「帰りたいと何回言ったか」。
つらくても笑顔で攻めた4日間

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 そして最終日、歴史的な歓喜の瞬間が訪れた。3番で4パットのダブルボギーを叩いて一度は首位の座を譲るも、この日も得意のバックナインで爆発した渋野。日本のファンに限らず、世界中のファンが驚愕する”超攻撃的なゴルフ”で、途中からトップに立ったリゼット・サラス(アメリカ)を猛追。最終18番ホールで劇的なバーディーパットを決めて、メジャータイトルの栄冠を手にした。

「ウイニングパットは、入れる気ではいました。(実際に)入るかどうか、そこまで考えている余裕はなかったです。(2打目の時点で)プレーオフはしたくないと思っていて、バーディーを取るか、ボギーを打つか、3パットするか、シャンクを打つか……ハハハッ(笑)。(セカンドは)ピンを狙って打ちました。で、最後(のパット)も強気でいって、壁ドンで入ったんで、『やり切ったー!』って思いました。

 一番緊張したのは(3番で)4パットしたところ。(パーパットとなる)返しの下りのパット。あの距離は緊張しました。ちょっと震えていたかもしれないです。自分の思っている方向に打ち出せなかったので。

 優勝を意識したのは、10番でバーディーをとってからです。そこで、私が14アンダーになって、トップが15アンダーでしたよね? それで、まだ1打差だったので『イケるわ』『まだ(優勝を)狙えるわ』と思って。(初日と3日目と)後半で「30」をマークしたのも10番でバーディーをとった時だったので、10番でバーディーが入ったときに、『まだイケるかも』『このあといいスコアができるかもしれない』と思いました。

 この興奮をもう1回? それって、海外でプレーするってことですか。う~ん、味わってみたいのかなぁ……。できれば、こういう思いはもうしたくないですけど(苦笑)。この4日間、本当につらかったので。笑っていましたけど、気疲れが半端ないんで(笑)。あの(上位の)位置にずっといることで、かなり気を遣っていたと思うんで。何回『疲れた』と言ったか、何回『帰りたい』と言ったか。

 今回優勝してうれしかったけど、(私は)『日本が好きだな』とあらためて思いました。日本でもっとレベルアップして活躍したい、という思いはこれからも変わらないと思います。とりあえず、今年の目標は(日本ツアーでの)賞金1億円突破なので、それに向けてまたやります」