渋野日向子「帰りたいと何回言ったか」。つらくても笑顔で攻めた4日間 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • 武川玲子●協力 cooperation by Takekawa Reiko

 迎えた初日、渋野はいきなり世界を驚かせた。「手こずるだろう」と言っていたグリーンも攻略し、7バーディー、1ボギーの「66」でラウンド。世界的には無名の存在ながら、トップと1打差の6アンダー、2位タイと好スタートを切った。

「出来すぎのスコア。正直、びっくり。(スタート前は)初めて(の海外メジャー)なので、苦しい1日になると思っていました。実際、前半はボギーから始まって、なんとか耐えてイーブン。でも、後半に爆発できて。(自分でも)なぜ? みないな(笑)。

 前半はパッティングがかみ合っていなかったんですけど、10番で長いパットが入って、そのあと(11番で)ショットでもピンにつけて、そこでバーディーが取れて、流れに乗れました。(以降は)なんでこんなにバーディーが取れるのか、『気持ちわるぅ』って思った。

 ピン筋を狙っていこうと思ったのは、(4番で)ボギーを打ってから。グリーンの傾斜が結構ピンに向かっていたので、右からピンに向かって寄せようと。グリーンが止まるので狙いやすかったのもありますが、やけくそでピンを狙っていました(笑)。

 今日の出来ですか? 出来すぎなので、120点。いつもスロースターターなので。初日がいい時は、だいたい(成績が)悪い。最終ホールで、キャディーをしてもらっているコーチと(スコアがよすぎて)『やべぇな』という話をしていました」

 2日目も、渋野は"攻めのゴルフ"を見せて、4バーディー、1ボギーの「69」。通算9アンダーとして、単独2位の座をキープし、目標の予選通過を難なくクリアした。

「今日は、バーディーパットを決めたいところで何個か入らないところがあったんですが、ボギーを最小限に抑えられたところはよかった。プロテストを合格して1年ちょっとですけど、(目標の)予選ラウンドを通過できて、『今年は本当に調子がいいんだな』と思いました。その理由はわからないんですけど(笑)。1年前は(日本ツアーの)レギュラーツアーに出られていればいいな、と思っていたぐらいですから。(日本ツアーでも2勝している)今の状況は本当にびっくり。みんなも、びっくりですよね? 本人もびっくりですから(笑)。

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