体で模したキレイな「く」の字。石川遼の「第2章」はこれからだ (2ページ目)

  • 古屋雅章●文 text by Furuya Masaaki
  • photo by Kyodo News

「自分の体のことはわかっていないといけないし、これから(ゴルフを)長くやっていくなかで、(体のために)できることはやって、(ケガなどを)未然に防ぎたいという気持ちがある。ケガなどをしないだけでなく、(ゴルフの)パフォーマンスを上げていく意味でも、どんどん鍛え上げていかないといけないと思う」

 石川が15歳でツアー優勝を果たしてから、今年で12年。小学校に入学したばかりの子が、高校を卒業して成人するだけの期間が過ぎたことになる。男子の運動機能・能力は18歳~20歳辺りにピークを迎え、筋肉量は30歳辺りでピークになると言われているが、石川は体が複雑に変化するこの期間を、プロゴルファーとして過ごしてきたわけだ。

 私はこの時、「自分の体をわかっていないといけない」と言う石川に、自らの体がこの10年余りでどう変化してきたと認識し、今後どういう方向を目指すのか、聞いてみた。

 まず、体の変化についてはこう語っていた。

「中学時代に陸上部に入った頃って、意識していなくても臀部とハムストリングは発達していたんですよね。それが、高校に入ってゴルフ1本になって、徐々に衰えていたと思うんです。そうして、20歳くらいからは、走るとその次の日くらいから腰が痛くなることがあって、走ることを控えよう、ということになった。

 走ると痛い、(痛いから)怖くて走れない。その結果、筋肉が弱くなる、(体を)痛めやすくなる。さらに、走れなくなる。そういうスパイラルに陥って、(体の)後ろ側の筋肉が全体的にすごく弱くなっていたと思う」

 加えて、腰痛など自らの体に生じた不具合に関しては、こういう見方をしていた。

「高校1年生の時の自分のスイングは、ハムストリングとか、お尻の筋肉があったからこそ、できていたスイングだったと思う。それ以降も、その後ろ側の筋肉が弱くなってきているのに、(当時とずっと)同じスイングをしようとしていて、それに(体が)耐えられなくなったんだと思います。

 そういう意味では、体の筋肉のつき方も変わってきて、それでスイングも変わっていって、(ケガを引き起こす)引き金になっていたのかな、というのは感じましたね。(ここ数年間は)今まで、本当に手打ちみたいな感じになっていたんだと思います」

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