【木村和久連載】ゴルフ場はなぜ、頻繁に改修・改造工事を行なうのか (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そんなわけで、トーナメントコースは年1回、月例競技などが月1回で、1年365日のうち、俗に言うビジターさんが使う日が340日ぐらいでしょうか。だったら、ビジターが楽しめるコースでいいじゃないですか。

 そうして、最近の傾向としては(2)で記したような距離を長くする風潮から一転、距離をどんどん短くしているコースが増えています。お客のメインとなるシニア層が、飛ばなくなっているからです。

 レギュラーティーで400ヤードを越えるホールがあると、「あそこ(のコース)は距離が長いから、他(のコース)にしよう」と敬遠されてしまうんですな。

 じゃあ、シニアティーで打てばいいじゃん、と思うでしょ。でも、そういうことはしたくないのです。安いプライドがありますから。

 そのため、現在は"チャンピオンコース至上主義"は影を潜め、"レギュラーティーエンジョイ主義"が台頭。たまに、以前は距離が長かったというコースに行くと、レギュラーティーの位置が相当前に変わっていたりします。お客さんが敬遠しないよう、距離を短めに変えているのです。

 現実的に、ゴルフ人口がどんどん減っている今、コースの改造にどれだけ予算が割けるかは疑問です。改造して難しくしたら、お客さんが減った、なんてことが起きていますしね。

 ということで、今からの大胆なコース改造は考えものです。むしろスタート小屋や、トイレ、避難所などの改修をしてくれたほうがよっぽどありがたい。そう思えてなりません。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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