【木村和久連載】ゴルフを盛り上げる
スパイス。最近のプレーヤーは?

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(4)ゲームとしての終焉
 ゴルフは非常にメンタルなスポーツで、心・技・体のすべてが試されます。けど、ゲームとして楽しむのは、テレビで試合を見る時だけ。コンペでは、多くが新ぺリアですから、腕前はさほど関係ありませんからね。

 よって、勝ち負けのあるゲームとして、ゴルフを楽しまない世代が増えています。現に我々も、ただ漫然とラウンドして、自分の中で90を切ったら喜ぶし、切れなかったら「これが日常さ」と言い訳して終わります。年に2回ぐらい100オーバーした時も、「たまにはある」と言って済ませます。

 ゴルフはスコアより、健康でラウンドすることができて、仲間の成績より極端に差がつかなければ、オーケーです。

 あとは季節の歳時記、桜を見たり、夏に売店で心太(ところてん)を食べたり、半ズボンでゴルフをしたり、紅葉を楽しんだり、それぐらいでいいじゃないですか。日頃、ビルの中で生活しているなら、緑の多いコースにいるだけでもう、森林浴ができているわけですし。

(5)メンタル弱い子ちゃんの増殖
 たとえば、スマホゲームをするにしても、従来は困難にぶち当たって、それを乗り越えていくために努力するのが当たり前でした。けど、今やその試練も、時間の経過や課金によって、簡単に乗り越えられるのです。

 そういう時代であっても、ゴルフは何年やっても下手は下手。いくら時間やお金をかけても、なかなか上達しないものです。

 そりゃもう、 若者からしたら「そんなスポーツないだろ」「ぼったくりじゃん」となります。ハードルが高くて、全然うまくならないし、誰も称賛してくれませんしね。そのうえ、やっとこ100を切って普通ですから。

 となれば、ニギリなんてもってのほか。ただの恐喝ですよ。

 個人的に、スマホで『シムシティ(※1)』の貧弱版みたいなゲームをやっています。従来のものだと、街を作ると災害が発生して壊れますよね。『桃太郎電鉄(※2)』で言うと、持ち金を捨ててしまうキングボンビーが登場する感じでしょうか。
※1=都市経営シミュレーションゲーム。※2=鉄道会社の運営をモチーフにしたボードゲーム形式のテレビゲーム。

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