【木村和久連載】ゴルフと渋滞。どうしようもない関係をどう解消するか (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 それで最後に、その遅い組の野郎はどんな顔だと思って、スパイクを洗っているところを覗きにいきました。そうしたら、なんとその中のひとりが、こっちに向かってくるではありませんか。

「なんだオメー、やんのかぁ~」といった体で、一触即発状態に......。

 さあ、どうする!?......ってときに、その寄ってきた男が「木村さん、お久しぶりです」って、挨拶してくるから、びっくりしたなもう。

 なんだよ、知り合いじゃん。俺は丸一日、知り合いに対して怒っていたのかぁ~。これは、すごく恥ずかしいお話でございます。

コースがここまで渋滞したら、さすがに参ってしまいますね...コースがここまで渋滞したら、さすがに参ってしまいますね... それからというもの、いくら前の組が遅くてもイライラせず、渋滞を甘んじて受ける覚悟で生きています。

 具体的な渋滞回避は、やはり混んでいるコースには行かない。それしかないです。

 ただ最近は、人気の激込みコースと、ガラガラで経営大丈夫なの?的コースと、2極化になっていて、逆に空いていても問題です。

 ここは考え方を変えて、ゴルフは丸一日かけてやるもの。ハーフ3時間は当たり前、と思わないといけません。

 ゴルフ場が混んでいるからといって、怒るのは半人前です。どこかしこのメンバーで、競技に出ている方は決して怒りません。

 それはなぜか?

 競技に出ている方は、オーケーなしの完全ホールアウトゴルフに慣れています。あれは、普段のオーケーありゴルフより、1打余計に打ちます。そのため、どこの月例競技も、混んで渋滞が起きるのです。以前、鶴舞カントリー倶楽部のメンバーで、競技会に参加したときもそうでした。

 だから、競技に出ているメンバーは、「競技に比べれば、こんな渋滞は大したことはない」と思うはずです。

 そもそも前の組の遅さを見ているから、イライラするのです。その待っている間は同伴プレーヤーたちと、芸能界とか、ネオン街とかの、よもやま話でもして盛り上げましょう。

 さすれば、渋滞なんてあっという間に終わってしまいます。ということで、ぜひ休憩時間に楽しく過ごせる人とプレーしましょう。

 ちなみに、私は一緒に回っている人たちを一日中、飽きさせない自信があります......って、そんな自慢してどうすんねん。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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