タイガー・ウッズが完全復活。オーガスタには優勝オーラが漂っていた (3ページ目)

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 前半を終えて、13アンダーのモリナリが首位をキープ。それを、ウッズが12アンダーで、ケプカとフィナウが11アンダーで続いた。

 そうして、最終組が14番ホールを終えた時点では、12アンダーの首位には、ウッズ、ジョンソン、モリナリら5人が並んだ。しかも、1打差の11アンダーに2人、2打差の10アンダーにも3人が控えていた。

 モリナリは、12番に続いて15番でもダブルボギーを叩いて脱落。逆に、15番、16番と連続バーディーを奪ったウッズが14アンダーで単独トップに浮上。こうして、ウッズは2位のジョンソン、ケプカらに2打差をつけて、最終ホールを迎えることができた。

 ゲームの流れは、誰が勝ってもおかしくない状況だった。

 ウッズの楽勝ペースだったわけではない。むしろ、苦しい展開、紙一重の状況のなか、絶妙なショットやパッティングに救われたと言ってもいい。

 ただし、流れ的には"ウッズが優勝する"そんな空気感があった。それは、オーラである。ウッズ自身が発するオーラだけではない。オーガスタの森を囲むギャラリー全体のオーラが、ウッズのオーラに呼応するかのように、この日のゲームを包んでいた。

 とてつもない威圧。それが、他の選手の妙技を阻んだような気がした。

「本当に勝ててうれしい。僕はこの試合のために、6カ月前から照準を合わせてやってきたんです」と、ウッズは語った。

 6カ月前から照準を合わせる? それは到底、想像に及ばない。おそらくその難しさは、やった人間にしかわからないことだと思う。

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