松山英樹のマスターズ初日。
「一番いい攻め方」も気持ちと身体にズレ

  • 三田村昌鳳●取材・文 text by Mitamura Shoho
  • photo by Getty Images

 4番ホールでようやくパーとして、迎えた難関の5番ホール。今年から距離が40ヤード延びて、495ヤードのパー4となった。この日、ここでバーディーを奪ったのは、わずか4人。松山はそのひとりとなった。

 フェアウェー左サイドの2つのバンカーを避けて、右のフェアウェー312ヤードにナイスショット。ピンまで残り191ヤードの2打目も、6番アイアンで攻めて、ピン横60cmにつけるショットを放った。

 ついに来た初めてのバーディー。けれども、その後「いいプレーにつながってくれなかった」と松山は言う。

 前半を2オーバーで折り返し、後半のアーメンコーナー(11番~13番)を攻め切れば......という期待感も、10番ホールのダブルボギーで挫かれた。

 まさに不完全燃焼のラウンドだ。スピードに対してのギア、あるいはギアチェンジのタイミングがかみ合わない。要するに、流れに乗れなかったのだ。いや、流れをつかみ切るタイミングも見出せなかった。

「明日は、なんとかアンダーパーで回りたいと思う」と語った松山は、もちろんまだまだ諦めていない。

 出遅れた初日。でも、残りはまだ54ホールある。2日目にイーブンパーまで戻せたら、十分に上位に食い込める位置に立てる。

 粘り強さが身上の松山のゴルフ。その粘りと、1打1打の執着心が、明日からのスコアに出てくるはずだ。

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