【木村和久連載】名門倶楽部=高額。それだけの価値は本当にあるのか (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 とまあ、名門倶楽部の理事長選は雲の上の話なのでこれくらいにして、今度はコースの話に切り替えましょう。

 名門倶楽部は、コースにおいても有名設計家に依頼したものが多く、なかなか戦略的で、プロのトーナメントなどでもよく使われます。

 それにも増して、開場から数十年も経っていますから、樹木がうっそうと茂り、その佇まいが何ともたまりません。まるで太古の昔から生えていた原生林のなかにゴルフコースがあるような錯覚。それが、魅力的です。

 けど、実は人工的に植えた樹木がほとんどですけどね。たとえば、明治神宮の森や、軽井沢の別荘地の森などもそうです。

 ゴルフ場の多くは、細長い木から何十年という時を経て、重厚な森を形成し、俗に言う「名門の風格」を醸し出すのです。

 こうなってくると、名門倶楽部に入会できなくても、一度はゲストでいいからプレーしてみたくなるでしょ? 私もそう思っていくつかラウンドさせていただきましたが、感動した部分もありつつ、がっかりした部分もありました。そこら辺の話を最後にしていきたいと思います。

●暖炉が素晴らしい
 実際に使う機会は少ないのですが、名門倶楽部には立派な本物の暖炉があるところが多いです。その近くにあるチェアに座って、マイボトルのブランデーをグビッと飲みながら、鼻歌で『マイウェイ』を歌うなんて素敵じゃないですか。

 ちなみに、名門倶楽部は銀座の高級クラブのようにボトルをキープできます。そこで、レミーマルタン ルイ13世をキープ、なんてたまりません。

 酔ったら、車で帰れないじゃないか。そうおっしゃるあなた、心配はご無用です。みなさん、運転手付きのハイヤーに乗って来ていますから、お気遣いなく、ですよん。

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