【木村和久連載】ゴルフ人口の減少。むしろ、いいことが多くなる? (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

(4)元気があればゴルフをやる
 ゴルフはスポーツから始まって、今やレジャー化していますが、やはり社会で成功した人の、一丁上がりの遊びです。もともとの始まりも、旧華族や旧公家、財閥関係者が、外国人や留学帰りのお坊ちゃんから手ほどきを受けて、からのものですしね。

 今の日本でも、そういう伝統文化は脈々と継承されています。1%以下のエクスクルーシブな方々は、名門倶楽部のメンバーシップを維持しようとしていますから。ほんと、ご苦労さまです。

 ともあれ、残りの99%のゴルフ場は、元気な人々に場所を貸して、日銭を稼げばいいのです。今後その役割を果たしてくれそうなのは、中国を筆頭としたアジアの人々です。

(5)名門コースがパリになる?
 第一次世界大戦後の1920年代、「失われた世代」と称されたアメリカの若者たちは、目的意識がなくて、享楽的と言われました。

 けど、その享楽的が空前の好景気をもたらし、多くのアメリカ人が大西洋航路をわたり、花の都パリへとなだれ込みました。俗に言う「ローリング・トウェンティーズ(狂騒の20年代)というやつです。

 日本にも享楽のバブル時代があり、1980年代後半から1990年代前半にかけて、多くの日本人がパリのルイ・ヴィトン本店やエルメス本店に行って爆買いしたものです。バブル期、日本人が買ったヴィトンのバッグは、海外での買い物を含めてヴィトンの売り上げ全体の5割と言われていたのです。すごいですね。

 現在、同様のことが中国で起きています。景気減退だと言われながら、いまだに国内総生産(GDP)の伸び率は年間6%台で推移しています。

 ただ、中国の爆買いはやや下火になっていて、最近は体験型のレジャーをしに日本へやって来ます。要は、炊飯ジャーからブランド品までひと通りそろえ終わって、日本に行くなら今度は、京都で舞妓はんとお茶遊びしたいとか、女体盛りしたいとか......って、そっちじゃないでしょ!?

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