【木村和久連載】ゴルフにも「ホーム」と「アウェー」ってあるの? (2ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 ジャンボ尾崎選手がすごいのは、日本で開催されているツアーで、外国人のトッププロを結構打ち負かしていることです。まさにホームの強み。ゆえに、日本人選手に限らず、多くの外国人選手たちが、ジャンボ尾崎選手を称えているのです。「アウェーだったけど、ジャンボに負けた」とね。

 ところで、具体的にホームとアウェーでは、何が違うのでしょうか。

 日本人選手がホームとなる日本のコースでプレーする場合、ギャラリーはほぼ全員が味方です。試合前の環境、食事や移動、睡眠、言語など、普段の生活と変わりません。

 これが、海外のコースでのプレーとなると、大きな違いがあります。まず、食事が合わない。炊飯器を持っていく選手も結構います。朝、昼、晩と3食米の飯を食べて、初めて馬力が出ると。そして、朝はやっぱり納豆を食わないと、粘りが出ませんから。

 会場に行けば、競技委員との折衝は、もちろん英語です。英語で細かい説明ができないと、不利な判断をされがちです。

 そういうメンタルの弱い部分が露呈してしまうのが、まさにアウェーです。大したことのない出来事さえ指摘され、反論できずに相手の言うがまま、とかね。そうして、些細なことでリズムを崩してしまうのが、ゴルフです。

 そうそう、普段の環境もまったく異なります。たとえば、海外のトイレにはシャワー式トイレ、俗に言うウォシュレットがほとんどありません。そのため、携帯ウォシュレットを持っていく選手もいるそうです。

 無論、パンツにウンコがついても気にしない――そういう図太い神経の選手であれば、何ら問題ありません。要は、どんな環境でも対応できる選手であれば、アウェーの舞台でも十分に戦っていけるでしょう。

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