【木村和久連載】女子プロの
放映権問題などゴルフ中継はどうなるか

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 そんな男子ツアーに比べると、女子ツアーはまだまだ人気があります。実際、毎年たくさんの新人、若手の有望株が出てきて話題を振りまいているので、楽しみです。

 女子の場合、ルックスやスタイルがよろしいと、俄然ビジュアルも冴えますから、余計に応援したくなるんですよね。そして、がっしりした屈強な選手よりも、か弱くてもがんばっている細身の選手を応援しがち。日本の伝統芸、"判官びいき"のなせる業ですかね。

(3)試合中継を見て面白いか
 どのスポーツもそうですが、選手に感情移入しないと、なんら面白くないんです。相撲だって、力士のキャラクターや強さを知らないと、体の大きな人が裸になって押し合っている姿にしか見えないという人もいるのでは。

 そう考えると、ゴルフの試合だって、ゴルフの知識が乏しい人からすれば、パターを打っている人を見ても、そのすごさは伝わらないでしょう。「私にもできる」とか「カーリングのほうが難しい」とか、好き放題言われて終わりじゃないですか。

 ゴルフのダイナミックさって、やっぱりドライバーで300ヤードぐらいぶっ放して、アイアンで200ヤード先のグリーンへドスンと落としてピンそばにつける――これに尽きます。

 これを見られるなら、録画でもいいかな。そんな感じです。

(4)視聴率の低下
 ゴルフ人口が1200万人いた頃は、ゴルフ中継も視聴率10%超えが結構ありました。現在はゴルフ人口が500~600万人と半減していますから、当然視聴率も5~6%に減少、いやそれ以下かもしれません。

 それは昔、プロ野球の巨人対阪神戦が視聴率20%超えだった頃から、徐々に視聴率が低下。地上波での放送が激減していったことと同じでしょう。今ではクライマックスシリーズでさえ、地上波は珍しくBSやCSで放送する時代ですから、ゴルフ界もそうした現実を直視しなければいけません。

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