【木村和久連載】再編成が繰り返されてきたゴルフ場業界の現状は? (5ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 また、多くの場合、大手に運営会社が代わっても、ゴルフ場の従業員はそのまま残っているケースが多いです。おかげで、人材確保に苦労することはありません。しかも、肥料や器具、食材などはグループ一括購入なのでコストが削減でき、マニュアル化されたレストランの料理は、むしろ美味しくなっています。

 以前からのメンバーは、「こんなに客を詰め込みやがって、ハーフで3時間もかかるよ」なんてボヤきますが、生き残っているコースは皆、そんなものです。逆にスカスカのほうが、怖いくらいです。

 ただ気になるのは、プライベートジムを運営する『R』社のように、さまざまな分野に手を出しすぎると、非採算部分が必ず現れて、足を引っ張ります。大手のゴルフ場運営会社にしても、これまでは"護送船団方式"のようにコースをごっそり抱えて、まんべんなく運営していましたが、今後はどうなるのか、ちょっと予想できませんね。

 今のところ、人気コースや高級コースをプレミアム化して、上のほうにグレードアップさせていますが、今後の営業次第では、非採算コースはどこかへ追いやられてしまう危険性も、なきにしもあらず、ですね。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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