卒業目前のプロ転向に懸念。PGAツアーが「ドラフト制度」導入を検討 (3ページ目)

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 ソーンベリーの話に戻そう。彼はミシシッピ大在学中、数々の記録を打ち立ててきた。冒頭でも触れたとおり、2017年にNCAAの個人戦を制覇するなど、在学中にトータル11勝。同大学の最多勝利記録を達成した。また、アマチュアの英米対抗戦、ウォーカーカップのメンバーとしても活躍した。

 その一方で、2017年6月には初のPGAツアー参戦も果たした。その"デビュー戦"となったフェデックス・セントジュードクラシック(テネシー州)では、歴戦のプロ相手に優勝争いを展開。堂々の4位タイでフィニッシュした。さらに、2018年には全米オープンにも出場している(予選落ち)。

 そうして、たびたびプロ転向の噂が囁かれてきたソーンベリーだが、「"オールミス"が大好きだから、ここで戦いたい」と最終学年まで残っていた。

 そんな彼でも、ついにプロ転向を見越して最終予選会に出場。初日は「62」をマークしてトップに立ったが、残り3日間で後退し、結局ツアーへの出場資格は得られなかった。

 だが、もし"ドラフト制度"があれば、ソーンベリーは在学中の実績からして、"ドラフト1位"となって、来季からのツアー参戦は保証されていたに違いない。

 この新しい制度はまだ検討中ゆえ、実施される時期などの詳細は不明だが、"ドラフト"にかかれば、下部ツアーのウェブ・ドット・コムツアーか、あるいはPGAツアーの傘下となるPGAツアー・カナダ、ラテン・アメリカ、チャイナシリーズの、いずれかのフルシードが与えられることになるだろう。

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