「第2のアン・シネ」ユ・ヒョンジュが日本でブレイクする日は来るか (3ページ目)

  • 金明昱●取材・文 text&photo by Kim Myung-Wook

 いずれにしても、ユ・ヒョンジュのように会員資格を持たない選手は、今年のQTを突破して来季ツアーに参戦。そこで優勝するか、賞金シードを獲得して会員資格を得ないと、日本ツアーに居続けることが難しくなる。

 無論、日本のプロテストに合格すればいいのだが、外国人選手がプロテストを受けて、その後にファーストからファイナルまで4段階あるQTに参戦するのは、大きな負担となり、現実的には難しい。

 そうしたことを考えれば、ユ・ヒョンジュにとってはある意味、今年が日本ツアー参戦を狙うラストチャンスだったわけだ。

 そんな事情も併せて今年、日本のQTに参戦したユ・ヒョンジュは、ファーストを14位タイ、セカンドを22位、サードを7位で突破。ファイナルQTまで駒を進めた。

 迎えたファイナルQT。ユ・ヒョンジュは、初日「70」、2日目「72」、3日目「72」で回って、通算2アンダーと好位置をキープしていた。このまま最終日も大きく崩れることがなければ、来季ツアーの前半戦の出場権はほぼ獲得できる状況にあった。

 だが、最終日に「76」と叩いて、通算2オーバー、59位に終わった。出場優先順位が下がれば出られる大会もあるだろうが、現実的に来季のレギュラーツアー出場は厳しくなった。

「やっぱり、ファイナルQTは緊張感がありました。いかに平常心で試合に臨むかがとても重要だったのですが、今日はそれができなかった。それが、とても悔しいです」

 ラウンド後、そう語ったユ・ヒョンジュの表情はさすがに沈んでいた。それもそのはずである。実は彼女、韓国のレギュラーツアーの出場権をかけた試合を蹴って、この日本ツアーのファイナルQTに参戦したからだ。

「韓国と日本のQT(の日程)がかぶっていたのですが、やはりやってみたい舞台でしたし、チャンスもあったので、日本ツアー(のQT)に賭けていました。だからこそ、とても残念です」

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