「第2のアン・シネ」ユ・ヒョンジュが
日本でブレイクする日は来るか

  • 金明昱●取材・文 text&photo by Kim Myung-Wook

 そこから、レギュラーツアーに復帰したのは2016年。25試合に出場した。しかし、賞金シードを得られず、予選会を突破して翌年のシード権を獲得した。そして、続く2017年も23試合に出場したものの、際立った成績を残せずにシード落ち。今季は、再び下部ツアーで戦ってきた。

 ユ・ヒョンジュはレギュラーツアーでいまだ勝利がなく、今季の下部ツアーでも思うような成績を残せなかった。そうした現状を見れば、その実力、実績は乏しいと言わざるを得ない。

 それでも、そんな現状を打破するため、彼女が目を向けたのは、日本ツアーだった。思えば、これまで韓国ツアーを取材した際には、ユ・ヒョンジュにも話を聞く機会があったが、彼女が「日本ツアーでやってみたい」という思いは、年々強くなっていた。

「日本ツアーのことは、他の韓国人選手からいい話をよく聞きます。コースや環境、ギャラリーなど『すごくいい』と聞いて、あらゆる面で魅力を感じています。だから、私も行ける機会があれば、挑戦してみたいと思っていました」

 そして早くも今年、彼女は日本ツアーのQT()を受けた。
※クォリファイングトーナメント。ファースト、セカンド、サード、ファイナルという順に行なわれる、ツアーの出場資格を得るためのトーナメント。現在はファイナルQTで40位前後の成績を収めれば、翌年ツアーの『リランキング』までの大半の試合には出場できる。

 彼女が、そこまで日本参戦を急いだのは、「日本でやってみたい」というチャレンジ精神とは他に、日本女子ツアーの制度改編が関係している。

 日本女子ツアーはこれまで、非会員でもQT受験が可能だった。そして、そこで上位に入れば、TP(トーナメント・プレーヤー)単年登録によって、ツアー出場も認められていた。

 しかし、その制度は「今年まで」と規定が変更された。来年以降、QTを受験するには、プロテストに合格している正会員か、ツアーで優勝してLPGA(日本女子プロゴルフ協会)の会員資格を得ている者に限られることになったのだ。

 その一方で、今年から賞金シード(賞金ランキング50位以内)を獲得すれば、会員資格が得られるようになった。

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