【木村和久連載】出世の前に知っておきたい?「法人ゴルフ会員権」 (3ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

 保養所と同様、ゴルフ人口が減り、少子化の世の中になっている昨今、自らゴルフ場を維持して、運営していくのは大変です。会社としては、負の財産化しており、なかなか頭の痛い問題となっています。

 だったら、ゴルフ場を売って、法人会員権を10枚ぐらい買えばいい、となるのです。そのほうが、10のコースを使い分けてプレーできるし、より有効に活用できます。

 それに、ゴルフ会員権は換金性があって、よんどころない事情ができたら、3月の年度末に売ってしまえば、即現金化できます。メンテナンス代はナシだし、予算縮小の折、高級コースの会員権を売って、大衆コースの会員権を買い直す手もあります。

 そんなわけで、法人のゴルフ会員権は、資産価値、換金性、使い手があることで、相場をリードし、市場が活況になるのです。

 そして日本には、エクスクルーシブ(閉鎖的)な法人会員専用のゴルフ場が結構あります。個人のメンバーはほとんどおらず、そういうコースはメンバー同士の交流もさほどありません。

 法人メンバーは、たいがい数年で記名者の名義が変わることが多いですからね。ゆえに、月例競技もナシだし、クラブチャンピオンなども存在しないのです。

 ただし、法人専用のコースでは、運転手の控え室がデカくて立派です。ハイヤーで来るVIP客の運転手さん用に大きな座敷があって、そこで運転手さん同士が将棋や囲碁などをさして、日がな一日過ごすのです。

 こういう"ハイヤーゴルフ"も、無駄と言えば無駄ですが、さらなる上の人はヘリコプターに乗ってコースへやって来ますからね。どうやら、お金持ちは"無駄"が好きなようです。

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