【木村和久連載】こんなのイヤだ。同伴者からのプレッシャーあるある (4ページ目)

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

◆「30台」間近での余計な声援
 あとボギー2つで「30台」とか、あるいは「90切り」、「100切り」達成とか、そうしたシチュエーションって、よくありますよね。

 たとえば、同伴メンバーの調子がよくて、パーの嵐。気づくと、残り2ホールを連続ボギーで上がれば、ハーフ39になる計算です。

 こうなるともう、外野のほうが大騒ぎ。

「ボギーでいいから、慎重にな」
「刻んでもいいぞ。ドライバーを使わなくても、笑わないから」
「長いパットでもオーケーしてやるから、とにかく3回でグリーンに持ってこい」
「大事なのは、スコアを意識しないことだからね」

 ていうか、そういうおまえがスコアを意識させてんだろって......。

 そんなこんなで、もはや外野の声は、応援しているのか、プレッシャーをかけているのか、よくわからない状態になっていきます。

 たぶん、外野側の本心を言えば、「そろそろ大叩きして、笑いものになってほしい」と思っているはずです。

 とはいえ、プレーヤーの心理からすれば、ハーフ「30台」を出しそうなとき、一緒に回っているメンバーに、まったく気づかれずにプレーされるのも寂しいものです。

 プロ野球だって、ノーヒットノーランを達成しそうなとき、8回あたりから大騒ぎになるでしょ。「あれ? ノーヒットノーランだったの」なんて、あとから認識される試合は見たことないですから。

 そう考えますと、ある程度のプレッシャーを感じて、それをはねのけてラウンドするのが、ゴルフ本来のスタイルかと思います。

 そもそも谷越えや池越え、バンカーなど、プレッシャーだらけのコースでプレーするのがゴルフです。同伴プレーヤーを味方と勘違いするから、いけないのです。

 同伴プレーヤーは、たとえニギッていなくても、スコアを競う対戦相手です。ならば、こちらからプレッシャーをかけるぐらいの気構えで、臨んだほうがいいのではないでしょうか。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

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