【木村和久連載】ZOZO前澤氏には感謝。ジリ貧の男子ツアーを救え

  • 木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa
  • 服部元信●イラスト illustration by Hattori Motonobu

専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第180回

 今年10月に行なわれた日本オープンゴルフ選手権(10月11日~14日/神奈川県)をテレビの中継で見ていましたが、非常に地味な印象を受けました。

 ギャラリーの数を見てみると、最終日で8011人。4日間トータルで2万1142人と、4日間とも1万人割れ、と惨憺(さんたん)たるものです。

 会場が横浜カントリークラブ(横浜市保土ヶ谷区)という、非常に恵まれたロケーションで、しかも天候に左右されるほどの状況ではなかったにもかかわらず、この数字。まさに"スター不在"を物語っているようです。

 日本オープンの入場者数で言えば、最近好成績を残しているのは、狭山ゴルフ・クラブ(埼玉県入間市)で行なわれた2016年の試合です。松山英樹選手が優勝を飾った大会で、4日間の観客動員数は4万5257人。それと比べると、今回はダブルスコア以上の差があります。

 NHKの視聴率も、今年は5%割れだったそうです。全盛時は10%に迫る勢いがあったのに、どうしたものやら......といった状態です。

 こうした日本の男子ツアーの現状を踏まえて、テレビ中継をはじめ、何かしら改善策はないか、考えてみたいと思います。

(1)テレブ中継のショーアップ化を図る
 日本オープンのテレビ中継で言えば、NHKのゴルフ中継は非常に真面目ですから、最高峰のタイトルを目指す戦いの、現場の張り詰めた空気感は十分に伝わってきました。それはそれで素晴らしいのですが、ちょっと違うような気がしないでもないです。

 つまり、臨場感があふれているから、選手が打っているとき、テレビの前にいるこっちまで、せんべいをかじってはダメ。音を立ててはいけない――そんなピリピリした雰囲気を感じてしまうのです。

 でも、所詮はテレビですからね。リビングで何をしようと、こっちの勝手でしょ。

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