小平智と谷原秀人が挑むワールドカップ。
日本、3度目の世界一なるか

  • text by Reiko Takekawa/PGA TOUR JAPAN
  • photo by PGA TOUR

 ところで、日本にとってこのワールドカップは、とても縁深いもの。前身は「カナダカップ」と呼ばれ、1957年の第5回大会が日本で開催されている。

 会場となったのは、2020年東京五輪の舞台ともなる霞ヶ関カンツリー倶楽部。30カ国、60名の選手が参加し、サム・スニード(アメリカ)、ゲーリー・プレーヤー(南アフリカ)など、当時の世界最強選手が勢ぞろいした。

 そのハイレベルな戦いの場において、地元・日本からは中村寅吉、小野光一ペアが出場。名だたる選手がそろう世界の強豪を相手に、中村が個人戦で優勝を飾ると、団対戦も日本チームが見事に制覇。その瞬間、日本のゴルファーの名が世界中に知られることとなった。

 また、この大会は国内のテレビでも放映され、日本が勝利を飾ると、日本中が熱狂。ゴルフというスポーツが一気に国民の間に浸透し、その後のゴルフの発展に大きな影響を与えた。アジアの中で、日本がゴルフ先進国となったのは、このカナダカップでの勝利があったから、と言っても過言ではないだろう。

 その後、1966年のワールドカップで2度目の日本開催が実現。同大会では、アメリカからアーノルド・パーマー、ジャック・ニクラウスという、人気、実力ともに世界トップのペアが来日し、評判どおりの強さを披露した。その結果、圧巻の勝利を飾って、日本のゴルフファンを沸かせた。

 中村&小野ペアが優勝して以降、次に日本チームが勝利を飾るまでには、45年の月日を要した。世界選手権シリーズのひとつに組み込まれて(2000年~2006年)盛り上がりを見せていた2002年のメキシコ大会で、丸山茂樹と伊沢利光のペアが勝利。日本が2度目の世界一に輝いた。

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